2013年5月30日木曜日

子供の主体性を引き出すアプローチについて

野球が上手くなるためには、本人が本気でやる気にならなければダメだと思います。

しばしば議論になる「主体性」というキーワードですね。


我が家にも小4の野球少年がいますが、正直主体性のかけらも見受けられず苦労しています。

偉そうなタイトルを書いてしまいましたが、スイマセン、どうすれば良いかを私が教えて欲しいくらいです(笑)

というわけで、今日は、私なりに今思っていることをまとめながら、頭を整理したい思います。



<もともと主体性のある子>

生まれながらに持った性格なのでしょうか。ごくまれに、言われなくても一生懸命練習したり研究したりする子がいます。このような子は教える方も楽しいですね。何かアドバイスをすると、スポンジのように吸収してくれます。

このタイプには「9褒め1叱る」という方法で、その主体性の芽を摘まないように引き上げてあげればよいのかなと考えています。

ただし主体性があるとは言え、まだ子供ですから、努力の方向性が間違っていることも多いと思います。長い目で考えれば、遠回りも必要な経験ですから、努力に無駄な努力など無いとは思いますが、一方で正しい道筋を示してあげさえすれば、そこへ向かって邁進するタイプですので、適宜軌道修正を図り大きく育ててあげたいなと思っています。


<もともと主体性がない子>

「主体性がない」という表現は語弊があるかもしれませんね。主体性が無い子供などひとりもいないとは思っています。

ここで言う主体性がない子供とは、言われないと練習をしない、そこまでして上手くなりたいとは思っていないような子を指しています。このタイプの子は、楽しいことはやるけど(主体性がある)、楽しくないことはやりません(主体性がない)。具体的に言えば、試合やゲーム形式は大好きだけど、地味な練習になると手を抜きます。素振りやランニングは嫌いです。

残念ながら、我が子もこのタイプですね(苦笑)
というか、9割方がこのタイプに属しているように感じます。

つまり、このような子達をどう導くかが、指導者のメインの仕事だと考えてよいと思います。

このような子たちへのアプローチとして、コーチングの教科書などには、「まず野球を好きにすること」、「そのためには褒めること」、「野球が好きになれば勝手に努力をするようになる」と書いてあります。

おそらく様々な事例を検証した結果の理論なのでしょうから、ある意味真実なのかなと思う反面、現場で3年弱指導してきた立場の感覚としては、このアプローチで小学生のうちに「勝手に努力する」というレベルまで引き上げることは難しいと感じています。

「中学や高校で本人が本気になるタイミングへ向けての下地作りなのかなあ」、「そのために今はとりあえず野球を好きにすることが最優先かな」と最近は割り切って考えるようにしています。


強制から主体性へ繋げるアプローチ方法


コーチングの教科書には載っていませんが、私は「強制」から「主体性」へ繋げるアプローチ方法というものもあるのではないかと思っています。

これはまさに自分自身の経験や、私の周りの友人たちを振り返っての完全なる経験則です。

我々の時代は、監督・コーチは高圧的でしたし、野球がうまい子の親父さんは星一徹みたいな人がたくさんいました(笑)。みなさん、強制どころの騒ぎではなく、ただのヤクザです。

しかしながら、そのような中からも主体性のある選手はたくさん生まれています。

自分自身も子供の頃は意味も分からず言われるがままに野球をやっていましたが、中学や高校くらいから、自分からいろいろなことを研究したり、自主練習をしたり、自然とやるようになってましたね。

それはおそらく、本気で優勝を目指す中で負けてしまったり、チームメイトに迷惑をかけてしまったり、そんな心が揺さぶられるような悔しさが原動力だったように思います。また負けたくないというプライドもあったと思います。野球しか無い時代でしたから、今と違って逃げ場がなかったこともありますが、とにかく野球は大好きでした。何とかしたいという一心で、自ら努力をするようになったと記憶しています。

そんな気持ちが芽生えてきたときに力になったのが、小学生のころの楽しい記憶と、もうひとつが小学生の頃に強制ではあるものの、毎日素振りをしたり、トレーニングをしたりした経験(イメージ)でした。

仮に監督や父親の強制であったとしても、「それをやった経験」というのが自分自身の財産となり、自らやろうとマインドセットした際に「俺は出来る」という自信となり、背中を押してくれたように感じています。

昨今は、強制的なアプローチが全否定される傾向がありますが、こんな経験から私は必ずしも強制が全否定だとは考えていません。


ただし、

①受け身で自ら考えようとしない思考プロセスを形成してしまうリスク

②やらされ感が高まり小学生のうちにバーンアウトしてしまうリスク


この2点はやはり懸念されます。

強制はするものの、頑張った努力はしっかりと褒めるあげるとか、自分で考えることを促すような問いかけを忘れないとか、アプローチの工夫は必要だと思います。

またタイミングも重要だと思います。

「野球は好きだし上手くもなりたい。だから本当は努力をしたいと思っている。だけどサボってしまう自分に勝てない」

というタイミングが良い気がしています。

野球をはじめたばかりで、その楽しさもまだ分かりきっていないタイミングで、「努力の重要性」などのベキ論を言い過ぎると、好きになる前に嫌になってしまうように思うからです。

あとは、ダメ出しし過ぎて、自分の限界を認めさせてしまったり、自尊心を奪うようなアプローチもあってはならないと思います。

強制というと厳しい指導を想起させますが、それもやり方次第ではないでしょうか。

「ナニクソ」という反骨心を引き出そうとダメ出しをした結果、本当にダメになって終わりというパターンはありがちです。子供たちの顔色を見ながらバランス良く接する必要があると思います。

強制的な練習をする前提条件は、絶対に野球を嫌いにさせないこと、このことは忘れてはならないと思います。


最後にもうひとつだけ。


一番思うことは、勝っても負けても涙できるようなチーム作りではないでしょうか。目標とする大会へ向けてみんなで努力して、本気で優勝をするんだという気持ちで大会に臨みたいです。その結果、勝っても負けても感動のドラマがある野球。それが子供たちの「本気」を引き出すきっかけになるのではと感じています。


子供たちが主体的に本気の努力をしてくれる日を夢見て、引き続き楽しみながら試行錯誤して参りたいと思います。


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