野手と野手の間にフライがあがった時、
声をかけずにお見合いしてポテンヒットにしてしまったり、
ふたりが捕りにいって衝突したり…
よくある光景です。
大きな怪我に繋がる可能性もあるプレーですので、低学年のうちからしっかりと練習をして、声を掛け合って捕球できるようしたいと思っています。
では、
どうすれば、うまく声を掛け合って捕球を出来るようになるのでしょうか。
間のフライをスムーズに捕球するための基本について考えてみたいと思います。
①すべての打球に対して必ず声を掛けよう!
自分に飛んできた打球は「OK!」と声を出して捕球することは基本中の基本です。
それと同時に自分以外の子へ飛んだ打球についても「サード」、「センター」など「誰が捕るべきか」を必ずみんなで指示をしましょう。
ここで言うみんなとはベンチの控えメンバーも含む全員を指します。
日頃からすべての打球に対してみんなで声を掛け合う習慣付けがあるからこそ、間のフライに対しても適切なタイミングで適切な声を掛けが出来るのだと思います。
②優先権を決めておこう!
間のフライで一番難しいのはどちらの選手でも捕れるケースです。ふたりが「OK!」と声をかけて衝突してしまったり、ふたりで譲りあってヒットにしまったり…。
これらはあらかじめ優先権を決めておくことで防ぐことが出来ます。フライに限らずゴロもですけどね。
「外野手と内野手であれば外野手が優先」などのざっくりした決め事に加えて、「僕と君ならば君が優先ね」という個別の決め事もあった方が良いですね。
ミーティングでチームの決め事をあらかじめ確認しておきたいものです。
③お互いのポジショニングを把握しておこう!
他の野手のポジショニングが頭に入っていないと、自分より楽に捕れる子がいるにも関わらず自分で捕りに行ってしまったり、自分が一番近いフライなのに人に任せてしまったりということが発生します。
常に他の選手のポジショニングを頭に入れて守る習慣付けも必要です。ポジショニングとは、自分だけで完結するものではなく、周りの野手との兼ね合いがとても大切です。自分のことだけしか考えられない選手はチームに迷惑をかけますよ。
④ 間のフライには1次判断と2次判断があることを知ろう!
フライはボールが放物線の頂点に達する前までには「誰が捕るのか?」をみんなで声掛けするべきです。そのタイミングを逃して落下中に声を掛けるようでは声を掛ける意味が無くなってしまうためです。
ただ野手と野手の間のフライは勝手が違います。
打球が頂点に達する前までに判断出来ることもありますが、落下している最中に「ゴメン、やっぱり任せた」みたいになることが多々あるんですよね。特に風が強い日にはあるあるです。
そんな難しさから、間のフライは間違いを恐れてみんな無言になってしまいます(^^)
この問題を解決するためには、
打球が頂点に達する前までに一旦判断し、
(これを1次判断と呼びます)
そのうえで打球が落下している最中にあらためて判断をする…
(これを2次判断と呼びます)
そんな決め事をチームで共有する必要があるかなと思っています。
またこのプレーを成立させる大前提は、決して1次判断で決めつけることなく、最後の最後まで誰が捕るか分からないという気持ちを持ってみんなで打球を追うということです。
さらに1次判断はチーム全員で声を掛けてOKですが、2次判断は当事者間の絶妙な意思疎通に委ねる必要があります。
まあフライがあがっている最中ですからねー。実際は「OK!」「任せた!」くらいの言葉しか発せませんよ。そこを口調や声の大きさなどを工夫して、「やっぱり任せた!」「OK!任せろ!」みたいな意思疎通を成立させるわけですから、これはとても高度な技術です。ただ出来る子たちは自然とやってますからスゴイと思います。
1次判断を絶対視して、
「お前がOKて言ったから任せたのに」
「なんでお前が先にOKって言わないんだ」
「お前の打球なのに直前で任せた!は無いだろ」
みたいな喧嘩にくれぐれもならないようにしましょう(^^)
以上が間のフライをうまく処理するための基本だと思います。
全体を通じて言えることは、
まずは「準備」が大事だということ。準備とは優先権の確認、ポジショニングの確認、風向きの確認などですね。
次に「人任せ」にせず、全員が「当事者意識」を持ってプレーに参加し、はやめに打球を決めつけず、ギリギリまで声を掛け続けること(2次判断)。
最後に「自分のこと」だけを考えて野球をやるのではなく、野球とはみんなで声を掛け合い、みんなでひとつのボールを守るスポーツだと言うことを理解すること。
「自分は自分、他人は他人」みたいなチームでは、ポテンヒットや衝突は避けられません。
まずは基本を頭に入れて、あとは繰り返し練習あるのみです。
頑張りましょう!
(日頃からみんな仲良く何でも分かり合えるチーム作りが、試合での意思疎通にも繋がりますね!)