2014年7月18日金曜日

野球力指導アカデミー2日目 野村弘樹氏が登壇!


野球力指導アカデミー2日目は、元横浜ベイスターズ投手の野村弘樹氏が登壇しました。

野球に対する愛情に満ちた面白い方でしたよ。




以下、印象に残った話をいくつかご紹介します。


●道具を大切にしてほしい。

→野村氏は少年時代、家にあがる前に必ず道具の手入れをさせられた。親父さんに厳しく指導されたが、今となってはとても感謝していると。

→高校時代の部屋長だった清原選手は、バットを抱いて寝ていたらしい。バットを大切にしている気持ちの表れ。

→プロでは折れたバットをゴミ箱へ捨てる選手は多いが、清原選手は必ず自宅へ持ち帰り、シーズン終了後にまとめてお寺で焼いていたらしい。


●グランド整備をやらせてほしい。

→野村氏は少年時代に毎回グランドの石拾いをさせられた。当時は意味が分からなかったが、今になって意味がよく分かる。分からなくてもいいから教え、やらせることも大事。


●子供には3つの顔がある。野球の顔、学校の顔、家庭の顔。

→野村氏は野球をやっていたから救われた。家庭や学校で問題がある子も野球だけは一生懸命というケースは多い。愛情持って接してほしい。


●ガマンを教える。

→今の子はガマン弱い子が多い。楽しくやることも大事、でもガマンも大事。バランスよく指導してほしい。


●肩肘の故障サインを見逃すな。

→肩肘の調子が悪い子は投げ方が変わる。日頃からフォームを観察し異変を検知出来るように。また普段から双方向のコミュニケーションを取れる関係を作り、自己申告できるように仕向けること。


●コントロールを良くする方法。

→一定の距離を70%の力で、同じ歩数、同じタイムで走る練習をやる。常に同じフォームで球を投げ続けること(動作の再現性)に繋がるらしい。プロ野球ではよくやる練習メニュー。


●ボールの握り方を教える

→特に親指の位置が重要。ボールの真下に親指が来るように握ること。親指が横に来ると、肘の内側が緊張して故障に繋がる。




●ミットから目を離してもOK

→プロの投手はモーションに入った後に、一旦ミットから目を切るケースが多い。ミットから目を離さないようにするあまり、身体の開きが早くなる場合があるので注意。


●後ろ肩は下げてもOK

→往年の名投手は一旦後ろ肩を下げる人が多かった。ただし本人はその意識が無かったりするので面白い。江夏さんに聞いたら、『俺は左肩は下げてない』と断言されて、何も言えなかったらしい(^^;;




●クイックモーションの教え方

→足をあげる行為を省略するだけで、後半部分は全部一緒。


●リリースを前にする方法

→腕ではなく下半身(体全体)で前に持っていく。

これはNG



これが正解!



●左投手のけん制について。

→刺すことが目的ではなく、「けん制」することが目的。無駄に動くと癖がばれるので、動かないことが一番大事。


●ショートピッチをやる。

→近い距離で正確に投げる練習は有効。

⚫︎ケースピッチをやる。

→場面を設定し、プレッシャーの中で投げる練習。


●その他

→逆の動き、モノマネなど、いろいろな動き、遊びが大事。身体が硬い子が多いのでストレッチも大事。


スポーツとは、楽しみや健康を求めて自発的に行う運動。すべての子供がプロ野球選手を目指しているわけではないので、個々の事情に応じて指導方法も変えていかなければならない。何より愛情を持って子供たちに接して欲しい。

所感
今日は当たり前を当たり前にやることの大切さを教えられたように思います。普段から耳にしている内容も、元プロ野球選手に言われるとグサッと来ますし、それを徹底出来ていない自分にも気づかされました。道具管理、挨拶、礼儀などの指導…。ユーモアもあり、ステキな方でしたね。野村さん、ありがとうございました。益々のご活躍をお祈りいたします!


2014年7月17日木曜日

野球力指導セミナー 集中の方法について

昨夜、野球指導力セミナーに参加しました。



第一部は応用スポーツ心理学者の布施先生のセッション。

以前から布施先生のお話を聞いてみたかったのですが、期待通りの素晴らしい内容でした。



その冒頭で、

『みなさん、集中しろ!と子供たちに言うと思いますが、どうすれば集中って出来るものなんですかね?』

という問いがありました。

確かに集中力は大事です。だからこそ僕たちは、『集中しろ!』と口酸っぱく指示を出すわけですが、大抵子供は集中力が持続しません(^^;;

どうしたらいいものか…。

布施先生の答えは、今やるべきことを具体的に指示してあげること!でした。

とても分かる気がします。

自分も現役時代にマウンドでストライクが入らないことがよくありましたが、その時にベンチから、

『集中だよ!シューチュー!』

などと言われると、

『うるせーよ、集中してるわ。まるで集中してないからストライクが入らないみたいな言い方すんじゃねーよ!』

と心の中で呟いてました。

逆に、

『コーナーは狙わなくていいから、とにかく高さだけは気をつけろよ!』

なんて言われると、意識すべきポイントが明確になり、前向きな気持ちで集中できたものです。


では少年野球の現場で、具体的にどのような声掛けが有効なのでしょうか?少し頭を整理してみたいと思います。


例えば守備。

外野でボー!と突っ立ってる子、膝に手をあてて構え、微動だにしない子…。それはまだ良い方で、隣面の試合をよそ見したり、トンボに気を取られたり。少年野球あるあるですね(^^)

このときに、

『コラー、集中しろ!ボケ~!』

と怒鳴るわけですが(^^;;

その代わりに(もしくは、それに加えて)何をすれば良いかを具体的に指示してあげるべきだと思います。

低学年ならば、1球ごとに中腰になり、捕手が捕ったら、5~6歩歩きながら(回りながら)、『ナイピー、ナイピー!』と投手を褒めてから定位置に戻ろう!とか、

高学年ならば、バットとボールが当たる瞬間に意識を集中しろ!投球の軌道やコース、打者の打ちにいく姿勢をよく観察して打球方向を予測しろ!そして一歩目を早くしよう!とか。。。

観察という意味では、打者のスイングを観察して、ポジショニングを変えようぜ(同時に他の野手にもポジショニングを指示しようぜ)というテーマ設定も普段から口酸っぱく言ってます。

もはや、虫と遊んでいる暇はありませんね(^^)

まとめると、チーム状況や子供たちの個々のレベルに応じて、どんなアクションプランを具体的に提示出来るかが、集中を促すうえでの腕の見せ所かなと理解しました。

今日は元ベイスターズの野村投手の講義です。何かひとつでも、収穫を得て帰ってきたいと思います!