根拠は、
①投球の軌道を高速カメラで調べると、ホップして見える球も実際はおじぎをしている。
(ゆえに上から叩いたら、ボールを切ることになり、当たっても飛ばない。むしろアッパーが正解)
②プロ野球選手の連続写真やスロー動画を見ると、誰一人ダウンスイングの人はいない。
(たびたび例にあがるのは王さん。日本刀だとダウンスイングだが打席ではレベルだ。)
③現役プロ野球選手のインタビューなどでの発言。
(「ダウンという感覚はないです。投球の軌道にスイングの軌道を合わせていく感覚ですね」)
④指導本、講習会などでの講師の話。
(ダウンスイング信仰を否定する発言は、もはや市民権を得た感じがします。)
ざっとこんな感じでしょうか?
いずれもある意味正しい意見だと思います。私も基本的に賛成です。
ただし気になることが実は2点ほどあります。
①ダウンスイングの定義がそもそも不明確である点
ダウンスイングとは、そもそもどんな振り方を指しているのか?
そのイメージが、人によって異なる状態で議論してもかみ合うはずがありません。
大根切り風(これも定義が曖昧?)に斜めボールをカットするイメージで語っている人もいれば、
そこまで極端な斜め振りではなく、あくまでトップからインパクトまで最短距離(これも誤解が多
い表現ですが)でバットを出すことを指している人もいると思います。
そもそもレベルスイングも、「地面と平行=レベル」と解釈している人もいれば、スイングプレーン
に対してレベルであることをレベルと表現している人もいたりします。
したがって、個人的には、ダウンが良いのか、レベルが良いのか、アッパーが良いのか、という
議論はあまり安直にしないようにしています。
②本人の「感覚」と実際の「事象」にはギャップがある点
現役時代に自分のフォームをビデオで見て唖然としたことが何度もあります。自分の感覚では
こうやっているのに、実際の映像を見るとイメージと全然違うなみたいな。。。。大抵は「オレって
こんな恰好悪いんだ」と凹むパターンですが(笑)
僕は、ここにダウンスイング論争の真実があるように思うんです。
つまり、自分では上からボールを叩き潰すイメージ(ダウンスイングのイメージ)でスイングして
いるんだけど、傍から見ている人には、全くそうは映っていないという事実。
そして、それを高速カメラで撮影すると、やはりダウンスイングにはなっていないという事実。
そう、自分の「感覚」と実際の「事象」には、そもそもギャップがあることが前提なんだと思うんです。
その前提条件の存在を無視して、ダウンスイングの是非を議論するから、話がややこしいこと
になるんです。
例えば、「自分はダウンスイングです」と公言しているけど、実際の事象はダウンになっていない
人が他者を指導すると、その人以上に、無駄にダウンスイングで振らせてしまったりします。
なぜなら自分の感覚(あくまで感覚の世界に過ぎない)では、そのくらいダウンスイングしていると
思い込んでいるからです。
<私の考える指導方法>
以上を踏まえて、私はあえて子供たちに「上から叩け」とか、「上からバーンだ!」と指示する
ことがあります。
ヘッドが下がりドアスイングで振り遅れているようなケースですかね。
正確に言うと「上から叩くイメージで振れ。実際は上から叩いたらダメだよ」という意味なので
すが、そんな説明は無駄です。シンプル・イズ・ベストです。
そして、私が思っているような打ち方が出来たときには、「そう、それ!」と子供に伝え、
出来てないときには、「それはダメ、違う」とはっきりとフィードバックします。
これは、私の言葉(上から叩け)と、彼の感覚(上から叩いた)を一致させる作業ですね。
それをやっておくことで、翌週の練習でも、「上からだぞ!」の一言で会話が成立しますし、
そもそも、本人にとって一番大切なのは、理屈ではなく「バーン!」みたいな感覚なので、
その感覚と理論をちゃんと僕がつなげてあげるわけです。
間違いなく、出来上がったフォームを高速カメラで分析したら、上からボールを叩いては
いません。投球の軌道にバットの軌道を合わせるように打っているはずです。
でも本人の感覚は、「上からバーン!」
これが僕の理想です。
繰り返しになりますが、「感覚」と「事象」を分けて考えること。。。これが重要なポイントかな
と考えます。
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