2012年5月30日水曜日

指導スタイル論争(後編)

前回のブログで、『厳しい指導VS褒めて伸ばす指導』という指導スタイル論争について書きました。

有難いことにFacebookを中心に沢山のご意見を頂戴し、大変勉強になりましたし、自分自身の引き出しも増えたように思います。この場を借りて、メッセージを頂戴した皆様に御礼申し上げます。

さて本日はその続編!

前回、私の指導スタイルを考える上で、とても参考になる本に出会ったと書きましたが、

それはこの本です!





スポーツを通じて、自ら考え行動する子供を育てよう!

おー、まさにマイテーマとドンピシャで一致です(^^)

やらされてやる野球は楽しくないし、いずれ成長が頭打ちになるので、自ら進んで野球に取り組んでくれるように仕向けることが、私が学童の指導を始めて以来の一貫したテーマなんですが、それとドンピシャだなと。

ただこの本を読み、もっと踏み込んだ視点でその重要性を理解できた点と、野球に限らず日常生活において、沢山反省すべき点があることを教えていただいたことが、私にとって非常に有意義でした。

一番印象的だったのは、人間の脳の構造に関する記述部分です。

(ちょっとマニアックですが 笑)

人間には、ざっくり3つの脳があるみたいなんですが、

第1層 『脳幹』
生命の基本的な機能をコントロールする脳。血液を流す、排泄するなど、自動的、機械的な働きを司ります。

第2層 『大脳辺縁系』
喜怒哀楽を司る脳。哺乳類の多くには喜怒哀楽があるらしく、この脳が発達しています。我が家のワンちゃんも機嫌の良し悪しがありますネ。

第3層 『大脳新皮質』
脳幹による生命的な欲求や、大脳辺縁系で生じる情動を、暴走しないようにコントロールする脳。これは人間だけが発達している脳ミソ。

この第3の脳のおかげで、我々人間は「殴りかかりたい!」「盗みたい!」「いい女に襲いかかってしまいたい?」というような欲望に対し、冷静な判断、客観的な判断、知的な判断を総動員し、行動をコントロールしているんだとか。

最近の私は、どうやら大脳新皮質の機能が著しく低下しているようです(^^;;

まあ、それはさておき。

この第3の脳の中には『前頭連合野』という部分があり、この脳は物事を企画したり、創造したり、予測したり、相手を思いやったり、気遣ったり、共感したり、仲間との一体感を共有したりと、人としてすご〜く大切な部分を担っている脳みたいなんです。

ところが最近の子供たちは、この前頭連合野の発育があまりよろしくないと先生は指摘します。

ヤバイですよね。

前頭連合野が未発達だと、

キレたり、引きこもったり、大事なところで踏ん張れず逃げてしまったり。

人付き合いが苦手で友達や彼女が出来なかったり、上司に怒られ会社を休んでしまったり。

自制が効かないので、万引き、婦女暴行、殺人などの事件を起こしたり。

人間皆、紙一重のところで生きてるのかもしれませんが、そこで自制出来るのと出来ないのとでは大違いです。

そしてこの前頭連合野が未熟な原因こそ、

我々大人たちが作りあげた子供たちを取り巻く環境であり、我々大人たちの子供に対する接し方にあるんだと!

ちょっと分かる気がします。

要は過干渉過ぎなんです。

そもそも前頭連合野は、自分で考え行動することで鍛えられるのに、何でも親がやってあげちゃう。

結婚相談所主催の親向け懇親会とか?中身知りませんけど、あれはなしでしょ〜\(//∇//)\

昔はひとりっ子は少なかったし、世の中全体がもっとのんびりしてました。

今の子は、日常が何だかとてもせわしなく、常に結果を求められ、大人にいろんなことを詰め込まれ、いつも管理されているように思うし、

危険も多いから、そこらか子供を守るために、必要以上に大人が危険を取り除いてあげたり、

子供たちは自分で考えて行動するというよりは、与えられたことをやるのが当たり前になっている現状があるように思います。

昔の大人もガミガミうるさかったけど、子供たちは今より自由だったと思います。放課後は、子供だけの世界、子供だけの天国があり、あの時間が前頭連合野の最高の筋トレだったわけですが、今は塾、習い事が忙しく、仮に公園に集合してもベンチに座ってみんなでDSやってたり\(//∇//)\

かく言う我が家も、正直反省すべきことばかりです。世の中で当たり前のことを当たり前にやってきた感覚なんですが、今一度考え直さねばと思っているところです。

さて野球の指導スタイル論争に話を戻します。

こんな時代背景ですから、温室育ちでたくましさが無い子は確かに多いです。そんな我が子を嘆き、野球チームで根性を叩き直してくれと懇願される親御さんもいらっしゃいます。

でも前頭連合野の未発達な子供に、さらに追い討ちをかけてガミガミやったら、どんどん状況は悪化するように思うんです。

現にそのような指導を沢山見ていますが、ガミガミやればやるほど子供たちは元気も無くなり、自らの意思で動こうとしなくなります。やらされ感満載で、悪循環にしか見えません。前頭連合野がムキムキだった昔の子にはそのくらいの指導が丁度良かったんでしょうが、今の子にそれは逆効果では?もっと伸び伸びと、感性豊かに自由にやらせてあげた方が、子供たちの将来のためになるんじゃないかと。褒めれば、ヤル気物質というドーパミンが脳みそから分泌され、主体性を引き出し易くなると言います。野球を通じ、前頭連合野の発育を促進させてあげることが、今の時代の学童野球の大切な役割かもしれません。

目先の勝利にとらわれるが故、ついつい教え込むふしは自分にもありますが、本質を見失わずバランス良くやらねばならないと改めて感じた次第です。

まだまだ書きたいことはヤマほどありますが、今日はこのくらいで。

是非皆様のご意見をお聞かせ下さいo(^▽^)o

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