2012年2月9日木曜日

野球道について考える

野球部のイメージって、丸刈り、白ユニ、説教、上下関係、挨拶、礼儀、、、

それが当たり前だから、何も疑問を感じない人も多いと思うけど、

私は大学3年のときにスプリングキャンプでアメリカへ行き、アリゾナ、シアトル、サンフランシスコ、ロスの学生たちと交流を持ち、

「なんだよコレ、全然雰囲気違うじゃん!」

とカルチャーショックを受けました。

服装はカラフルで格好いいし、監督には「ハ~イ、ボス!」みたいなゆる~い挨拶。日本みたいに監督が怒鳴り散らすことはなく、なんかフツー。

そうだよな~、別に一般社会って、怒鳴り散らしながら生活しないもんなー、

練習って、試合でうまくプレーするためにやるだけのことだから、やり方は自由だよなー、

日本って、野球と関係ないお作法がグランドにあり過ぎじゃねーか?
(そればっかり気にして、野球の技術向上の工夫とか、皆ないがしろにしてねーか)

アメリカ人って合理的だなぁ。確かにそういう練習方法ってありかも。。。
(日本って、練習ってこうあるべき、みたいな固定観念が強すぎかも)

などなど、頭の中で化学反応が起きまくりの1か月間でした。

ひとことで言うと、

アメリカは野球がうまくなることを目的に練習をしている(練習はあくまで手段)

日本は練習そのものが目的化している(練習のための練習)

そんなことをこのキャンプで学んだ気がします。

今では、アメリカ野球にも良し悪しがあるよなーと、冷静に考えられるようになりましたが、当時はあまりのショックにしばらくは完全にアメリカかぶれ(笑)。野茂さんが渡米したころだったので、夏休みのたびに渡米しては、メジャー、マイナー、学生野球などを見て回ったものです。



さて、前置きが長くなりましたが本題です。

「これからの野球道」

飛田先生(前回のブログ参照)は、「練習を通じて精神をきたえることが学生野球の本分」という思想のもと、とにかく厳しい練習をするんだ!それこそが目的だ!という文化を作られました。

軍国主義のご時世に、あえて軍部に受けの良さそうな方針を打ち出すことで、野球を守ろうとしたという説もありますし、単純に当時の時代背景からして、そのような発想が必然だったのかもしれません。

真実は分かりませんが、いずれにせよ、飛田先生の野球道の教えが、中途半端に形を変えて21世紀の現代にも受け継がれていることは事実です。

私自身、確かに練習を通じて根性はつきましたし、それが間違いなく今に生きてます。その意味では、野球に感謝なのですが、

一方で今のご時世、昔ながらの指導方法が良いとはやっぱり思えないんです。

闇雲に練習させられたり、殴られたり、怒鳴られたり、意味の分らないアホらしいルールでガチガチに縛られた方がよいかと言えば、やっぱり絶対に違う。

飛田先生の真意が、「野球を通じて社会に必要な人間を作ること」だったとするならば、今の世の中に必要な人材って、

「絶対服従」、「軍隊式の規律」、「形骸化した挨拶」、「行き過ぎた共同責任」、「行き過ぎた上下関係」、「丸坊主の強要」などで育てられるとは全く思わないんです。



私が自分の会社で仕事をしている限りにおいては、

・役職を超えて意見できる人材(コミュニケーション能力がある人)
・受け身ではなく、自分で仕事を創出できる人材
・世界で通用する視野の広い人材
・効率的に物事を進められる人材
・苦しくてもへこたれない根性のある人材

こんな人が求められるいるように感じます。


今、飛田先生が生きていたら、同じことをするのだろうか?
この状況を好ましいと思うのだろうか?

僕はむしろがっかりするんじゃないと思うんです。

あの時代だから、そうしただけであって、今には今のやり方があるはず。
それなのに、表面的なことだけが残ってしまい、飛田先生の真の目的が置き去りにされているように思えてなりません。

結果的に、子どもたちは野球を選んでくれない、チームに入っても何か面白くない、最悪辞めてしまう。オーバーユースで故障してしまい、将来を台無しにしてしまうケースも後を絶たない。

この現状に問題意識を感じず、ただ惰性で昔ながらのやり方で満足している指導者が多いことが、とても心配でなりません。

未来の日本球界のために、この現状を何とか変えていきたい。

私はfacebookのコミュニティ「ベースボールコーチングアカデミー」のメンバーとして、そんな同じ問題意識を持った皆様と、情報交換や勉強会、ネットワーク作りなどを行っています。皆さん、熱い方ばかり。素晴らしいコミュニティです。是非同じ志をお持ちの方がいらっしゃれば、仲間に入って頂きたいと思います。

ベースボールコーチングアカデミーはこちら
http://www.facebook.com/pages/ベースボールコーチングアカデミー一般公開用/216660248344121

すべては未来の野球界のために。。。
出来ることから少しずつ頑張って参りたいと思います。

<余談>

そもそも西欧の「スポーツ」という単語の語源は、「気晴らしをする」「楽しむ」「あそぶ」という意味らしく、大人たちが日常から離れ、楽しみとしてスポーツを始めたみたいです。その点、学生の「教育」からスタートした日本とは大違いですね。アメリカの小学生って、試合(楽しみ)が基本で、練習は自主練習が多いのは、そんな生い立ちの違いも影響しているのかもしれません。でも日本は日本良さがある!良さを残しつつ、変えるべきところは変えていく。当たり前のことを当たり前にやっていきたと思います。




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