2015年2月20日金曜日

野球力指導アカデミー 正しい競争を学ぶ

一昨日の夜、野球力指導アカデミーの第1限は、米国スポーツ心理学博士布施努先生の講義でした。

今回のお題は「正しい競争を学ぶ」

競争とは何か?
競争を通じ何を学ばせたいか?





コーチは競争に対し、自分なりの哲学を持たなければならない…。

だそうです。


布施さん、毎度深すぎま〜す(ーー;)


でも指導者は、この哲学的な問いに対し、自分なりの答えを持てと!


当たり前ですが、スポーツとは競争。競争とは勝ち負けを決めるシンプルなもの。

でもそのシンプルさとは裏腹に、競争の過程、競争の結果に僕らの心は複雑に揺れ動く。そこから何を教えていくのか?



講義内容にかなり影響されまくりですが、私の考えをまとめてみます。



①感情コントロール
レギュラー争いに負けた。
三振、エラーでチームに迷惑をかけた。
監督に怒られた。
チームが負けてばかり。
審判のせいで負けた。
野球をやめたい、逃げたい。
相手をなめて油断したら負けた。
本番で緊張し力を発揮出来なかった。

これらは全て競争があるが故。競争があるから凹み、競争があるからこそ乗り越えられる。競争を通じ自分の感情をコントロールする方法を学ぶ。



②自立
同じような話ですが、負けやミスを他人のせいにしない、自分の弱さを受け入れる、勝つために自分から動く、自分の言動に責任を持つ、そんな資質も競争の中で高めるべきもの。



③人間関係
仲間を気遣う、仲間を助ける、リーダーシップ、フォロワーシップ、意見衝突、自己犠牲、協調、先輩後輩の関係、コーチとの関係、親との関係、チームという組織の中の自分の役割、個人と組織のジレンマ、自己主張。チームスポーツである以上、仲間との競争、相手チームとの競争がある。全ては人間関係の学びへと繋がる。



④ゴールセッティング
ライバルに勝つために、試合に勝つために、自分に勝つために…今自分に出来ることは何かを考える力。競争に勝つために、小さなゴールセッティングを自分で出来る力。



⑤問題解決力
小さなゴールセッティングとその達成の積み重ね、それがすなわち自信の根源。オレはなんとかなる!という根拠なき自信を自己効力感と言うらしい。競争の中で、自ら課題を見つけ問題解決を積み重ねてきた経験の賜物が自信。監督や親が直ぐに結果を求め、答えを与える環境はマイナス。



これらをスポーツ心理学ではライフスキルと呼ぶそうです。



学校が正しい答えを教え込む場であるならば、スポーツは複雑な実社会を生き抜くためのライフスキルを学ぶ場。


コーチの役割は技術を教えることだけではなく、将来に繋がるライフスキルを身につけさせてあげること。


布施先生の教えです。

自分は出来ていない…(≧∇≦)



考えてみれば、僕らが生きる資本主義社会は、法律というルールの中で、金儲けを競争をする場。金を稼ぐという目的のために毎日仕事をしています。そして金以外の価値観も同時に考え、最終的な人生のゴールは「幸せ」になること。

幸せの価値観は人それぞれでいい。

でもライフスキルが身についていなければ、幸せにはなれない。

挨拶、礼儀、整理整頓、協調性、思いやりは、日本人としての基本的なライフスキルであり、少年野球はそれを大切にしてきた。こんな時代だからこそ、この伝統はこれからもむしろ受け継いでいかなければならない価値観。でもやり方には問題も多い。押し付け、教えつけ、受け身、考えない子供たち。


社会規範が画一的で、逃げ場も少なく、国民が皆ハングリーな時代はそれで良かった。

でも社会規範が複雑で何が正しいか分からない時代、

逃げ場も多く自立して自分で道を切り開いていかねばならない時代、

自分の価値観を持ち、それを規範に自信を持って生き抜いていかねばならない時代、

昔に比べこれからの世の中は、人との関わり方も、自分との向き合い方も、どんどん難しくなる。

挨拶しろ!帽子とれ!元気出せ!早く並べ!それはそれで、必要な面もあるし、別にやればいいと思う。

でもそれがライフスキル教育の全てのような野球指導には、大いに疑問を持つべき。


競争の中から、何を学ばせたいか。野球を通じてどんな資質を身につけさせたいのか?


頭を柔らかくして、考えていかなければならないと思う。




まとめ…。



スポーツにおける競争とは、

ライフスキルを磨くための手段なんだと学びました。


競争に勝つことは真のゴールではない。でも本気で競争に勝つことを目指さなければ真のゴールには至らない。だから本気で勝つことを目指す…。


大会で優勝し名誉を手に入れることだけがゴールである指導は違う。逆に大会で優勝を目指さず、ただ楽しむだけの指導も違う。


勝つことに拘り、でもそのプロセスから人としての成長を促すことを最優先に考えられる指導。そして今の時代に必要な教育とは何かを常に考えること。それが目指すべき姿ではないかと考えます。無論、故障を予防し、フェアプレーで戦うことが前提。



そして一番大事なこと。難しいこと。



それはライフスキルを身につけさせるための指導スキルを高めること…。

教え込めば身につくのか?言えばやるのか?そんな簡単ではない。

褒めればやるのか?叱ればやるのか?どっちがいいのか?そんな二元論の議論はナンセンスだ。

子供たちには本来、自分達でライフスキルを高めていくパワーが宿っている。その芽を多くの指導者が潰している。でもそれを引き出している指導者もいる。スポーツの指導は本当に難しいです。きっと分かっているようで何も分かっていない。最近は結果を求めるが故、本質を見失いかけていないか?

日々感じ、日々あらためていかねばならないと思う。

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